「教皇フランシスコ」評伝
『教皇フランシスコ キリストとともに燃えて――偉大なる改革者の人と思想』
オースティン・アイヴァリー
世界的ベストセラー評伝、待望の邦訳。
日本のニュースではこぼれ話程度にしか扱われないローマ教皇がなぜアメリカ大統領選の選挙戦で話題になるのか? なぜドナルド・トランプは彼について何かを言いたくなってしまい、その後、言わない方がいいと判断することになったのか?
読めば、今後、中東の難民問題や貧困の問題、社会格差の問題など、海外ニュースの見方が確実に変わる。日本の国内ニュースへの視点も変わるはず。
やや先行して、写真を多用した本も出ている。同じ値段である(2800円+税)。ページ数は前者が約3倍の629頁。写真をとるか、文章をとるか。
フランシスコ教皇は宗教間の対話を進めようとしていることでも知られている。下の本でのユダヤ教のラビとの対談は非常に面白い。対談そのものは教皇になる以前のもの。
『天と地の上で―教皇とラビの対話』(アブラハム・スコルカ、フランシスコ教皇)
教皇になる前のインタビューでは、下の本が一番充実している。
『教皇フランシスコとの対話』(F.アンブロジェッティ/S.ルビン)
この2書を訳しているのは八重樫克彦・八重樫由貴子。スペイン語圏での生活が長いご夫婦である。
就任後のインタビューでは、これ。早々にどこかが訳すはず。
カトリック信徒の方には下の3冊。
近々邦訳が出るはずの「環境問題に関する回勅 ラウダート・シ」は信徒向けの体裁をとっているが、実際には世界全体に向けたものになっている。邦訳は多分、カトリック中央協議会。いいのが出るといいね。
もう一冊というのであれば、
最初に挙げた新刊はこれらの本をすべて兼ね備えていると言っていい。
ナショナルジオグラフィックのカラー写真の本は除いて。