職業柄、一度は見ておこうと思っていたのだけれど、ようやく見る。 『ノア 約束の舟』ーー映画としての評判はまあ、よくはない。 聖書学などでいわれていることをたくさん入れ込もうとして、わけがわからなくなってしまったのだろうなというのが率直な感想。…
専門用語の簡潔な定義というのはなかなか難しい。どうしても、あちこち予防線を張っているような言葉づかいになってしまう。「マナ」とは何か。とりあえず、二つ、別々の言葉としてあり、ひとつは聖書に出てくる不思議な食べ物。お腹をすかせたイスラエルの…
ベルトルッチとの相性はあまりよくない。なのに、偶然、三本見る。まあ、偶然ではない。まとめて放送されていたのだ。「分身」「暗殺の森」「暗殺のオペラ」やはり限度というものはある。「分身」以外はとりあえず通常の速さで見たけど。「シェルタリング・…
ホラー映画はほとんど見ないのだ。でも、このところ、試みに見ている。ギレルモ・デル・トロ監督『シェイプ・オブ・ウォーター』(The Shape of Water)がアカデミー賞を取らなければそんな気にはならなかったのだが。その受賞作を見る前に『ミミック』という…
『ゴーン・ガール』監督 デヴィッド・フィンチャー『ハウス・オブ・カード』、どうなるのかなあ。
パレスティナ紛争関連の翻訳本。著者は当事者、パレスティナ人。この手の本は訳者の感情移入の加減が難しい。語の選択も変わってくる。同意できない意見にも、同意しているものとして語を選ぶ必要がある。訳してるわけじゃないですが。もうすぐ、そういう本…
久しぶりに日本で過ごす8月。ふとしたことで、このblogのことを思い出す。「この暑さは世界的なもの」と天気予報は言っているが、よりにもよって、久々に日本にいる年にねえ。*** 最近、関わって、面白かった本。木庭 顕『誰のために法は生まれた』法律…
直方体の木箱を水に浮かべて乗ってみる。バランスは悪い。そんな舟で大洪水を乗り切れというのが「ノアの洪水」という聖書の物語だ。「そんな舟でも、神の力で乗り切れる」というようなニュアンスは物語にはない。当然のこととして、そういう形とされている…
先日紹介した『教皇フランシスコ』の書評が5月1日、朝日新聞の書評欄で取り上げられた。評者はなんと、柄谷行人さん。新聞は取っていないので、町の図書館で写真を撮ってこようと思ったのだが、月曜定休なのを忘れていた。数日中にネットでも見られるよう…
雑誌『WIRED』で現代イスラエルの特集。写真やコラージュが多いが、二〇頁ほど。 他の記事もいつもながら興味深い。websiteは↓↓↓http://wired.jp/magazine/vol_22/?utm_source=201604021&utm_medium=email&utm_campaign=wired
2006年以来、日本の調査隊によって発掘調査が行われている「テル・レヘシュ」Tel Rekheshの調査がこの夏も行われます。イスラエル北部、タボル山付近の遺跡です。 調査隊では学生のボランティア参加を広く求めており、参加説明会が都内で4月23日に開かれ…
『教皇フランシスコ キリストとともに燃えて――偉大なる改革者の人と思想』 オースティン・アイヴァリー教皇フランシスコは歴代教皇と何が違うのか?世界的ベストセラー評伝、待望の邦訳。http://www.amazon.co.jp/dp/4750342971?tag=mmiyas-22&camp=243&crea…
「学者の会」アピール賛同者の皆様へ緊急のお願い緊迫した国会情勢のもと、「学生と学者の共同行動」を大成功させましょう。 佐藤学(「安全保障関連法案に反対する学者の会」発起人・事務局代表) (1)9月6日(日)は午後3時から午後5時半、新宿伊勢…
パレスティナの多くの遺跡で、ペルシャ時代はどうしてピットばかりの居住であることが多いのか。この現象は以下のように説明されてきた。その後のヘレニズム時代、ローマ時代に徹底的に破壊され、もしくは石などの建材を徹底的に利用された。ペルシャ時代が…
メギド近くのテル・シャドゥードで「セティ1世時代の人面棺」が発見されたとエルサレムポスト紙が報じている。http://www.jpost.com/National-News/3300-year-old-Egyptian-coffin-found-in-Jezreel-Valley-347980副葬品の中に、金のスカラベ。記事中に写真…
ダビデはなぜエルサレムを自分の王国の首都にしたのか? そういう話を石灰岩からなる地形とそれゆえに確保できた「水源」の存在から探ろうとした地理学者がいて、新聞が少し大袈裟にその成果に期待する記事を書いたら、土地の考古学者が石灰岩と水源という条…
トルコ沿岸のUluburunでかなり前に発見された後期青銅器時代の難破船。積荷の土器を調べてみたら、80%がイスラエルのカルメル山付近の粘土で作られたものだったという。船の母港はおそらくTell Abu Hawam かDor。荷主はエジプト王。宛先はアヒヤワ?知り…
発掘では土器などの遺物は出土し始めれば実に淡々と出土してくる。驚かされるような出土物が時に目に止まることがないわけではないが、出土物の意味は実際のところ、出土物ひとつひとつではなく、出土物のまとまり(アセンブリッジAssemblage)とその連続の…
「梯子なしで二階に登れ」といっているような状況、あるいは「二階の出来事は下から黙ってみておれ」といっているような状況は好ましいものではない。
The Oxford Handbook of the Archaeology of the Levant: C. 8000-332 Bce (Oxford Handbooks)
C14年代測定による試み。http://www.plosone.org/article/info:doi/10.1371/journal.pone.0020232
Historical Biblical Archaeology and the Future: The New Pragmatism / Thomas E. Levy (編集); Equinox (刊)
Rare Bronze Horned-Bracelet, 3,500 Years Old, Found in Israel イスラエル北部の小遺跡での発掘で、青銅製の腕輪braceletが発見された。角のような形の装飾があり、地方の有力者の所有物ではないかとされる。年代は出土した文脈から後期青銅器時代と推定…
Israel News | The Jerusalem post聖書物語に登場する巨人戦士ゴリアテとの関連を強調するテル・ツァフィート(ガト)発掘。ペリシテ時代の「神殿」がマグニチュード8クラスの地震で倒壊したという。日干し煉瓦の壁が「トランプのように」倒れていたことか…
イスラエル北部の遺跡、ハツォールの発掘でハムラビ法典の断片が見つかるCuneiform Tablet Uncovered by Hebrew University Team at Hazor Parallel to Code of Hammurabi
モシェ・グリンベルグ死去Moshe Greenberg, Biblical Scholar, Is Dead at 81 http://www.nytimes.com/2010/05/20/arts/20greenberg.html?src=twt&twt=nytimesbooks
テル・アヴィヴ大学、イスラエル・フィンケルシュタイン インタビューTHE DEVIL IS NOT SO BLACK AS HE IS PAINTED Hershel Shanks interviews Israel Finkelsteinhttp://bit.ly/945Vfc
高さ6メートル、長さ70メートルの壁が見つかったという。ヘブル大、エイラート・マザールの発掘。 http://www.archaeologydaily.com/news/201002223373/Ancient-wall-found-in-Jerusalem-probably-from-Solomon-era.html
2009年8月末にイスラエルのテル・ドルでの発見が報道されていたアレクサンダー大王の胸から上の像を刻みこんだ宝石の写真が公開された。 http://www.archaeologydaily.com/news/200909152179/An-engraved-gemstone-carrying-a-portrait-of-Alexander-the-Gre…
統一王国の成立以前のエジプトは人類史にさほど重要な役割を果たしていない。メソポタミア文明が先史時代から一歩一歩文明を発展させ、ウルク期がシュメールの繁栄の前段階となっているのとは違って、エジプト文明はいわゆる「原始時代」から「一夜にして」…