ノアの箱舟

直方体の木箱を水に浮かべて乗ってみる。バランスは悪い。

そんな舟で大洪水を乗り切れというのが「ノアの洪水」という聖書の物語だ。

「そんな舟でも、神の力で乗り切れる」というようなニュアンスは物語にはない。当然のこととして、そういう形とされているのだ。

そういう理に適っていない形になったのは、すでに古代における勘違いだったということがわかった。



この本にはそういうことが書いてある。別に特別な聖書解釈を施したという話ではない。

また、ノアの箱舟の残骸が見つかったという話でもない。

単純に、「ノアの箱舟」という聖書の物語の原形となる物語の楔形文字書板が見つかり、そこに書かれている設計図の説明では丸い舟を造れということだったという話である。

書板の発見そのものはすでに2010年頃、内容とともに報道されている。検索すれば、今でもヒットする。

では、詳細はどうなのか。

それから、「折角だから、実寸大で造ってみようではないか」

という話。

『教皇フランシスコ』関連書評

先日紹介した『教皇フランシスコ』の書評が5月1日、朝日新聞の書評欄で取り上げられた。

評者はなんと、柄谷行人さん。

新聞は取っていないので、町の図書館で写真を撮ってこようと思ったのだが、月曜定休なのを忘れていた。

数日中にネットでも見られるようになるはずだが、とりあえず宣伝(>> 版元の明石書店ツイートあり)

朝日の書評欄は来週の予告をネットに出していて、書店が掲載当日から店頭に並べられるようになっている。

Amazonのランキングでは分野別では日曜の掲載後、午後には即1位。全体でも1500-2000位を行ったり来たり。やはり朝日の威力はすごい。これで読売にも出てくれたら、たいへん助かる。近日見込み。

(おわかりの方にはすでに以前からおわかりのように、この本に関して、当方、当事者である)




『教皇フランシスコ キリストとともに燃えて――偉大なる改革者の人と思想』
オースティン・アイヴァリー

http://www.amazon.co.jp/dp/4750342971?tag=mmiyas-22&camp=243&creative=1615&linkCode=as1&creativeASIN=4750342971&adid=0K5Q8PP5NNVDYKRRDDE1


ちょっと前には『週刊金曜日』に書評が出た。やはり左翼系の方が反応早いんだろうか(クリックで読めます)。


やや先行して、写真を多用した本も出ていると前に紹介していたが、この本、『ビジュアル版新生バチカン』については少し前に日経新聞が書籍紹介の記事を出していた。

現代バチカンがご専門であるらしい名古屋市立大学の松本佐保さんが書いてらっしゃるが、残念ながら、触れてくださっていない。掲載は4月10日だし、時期的な問題かなあ。


松本佐保『バチカン近現代史』 (中公新書)


ポール・ヴァレリ−の本には触れているんだけどね。



 

【聖書考古学】テル・レヘシュ発掘調査 ボランティア募集

2006年以来、日本の調査隊によって発掘調査が行われている「テル・レヘシュ」Tel Rekheshの調査がこの夏も行われます。イスラエル北部、タボル山付近の遺跡です。


調査隊では学生のボランティア参加を広く求めており、参加説明会が都内で4月23日に開かれることになりました。


テル・レヘシュ発掘調査 ボランティア募集

参加説明会 4月23日 15時〜

場所 上智大学(東京・四谷)7号館 13階 神学部研究室

(事前連絡は必要ありません。直接会場にいらしてください)


発掘期間 2016年7月31日〜8月12日

(前後に移動日あり。部分参加など、詳しいことは説明会などでご確認ください。学生ではない方の参加も受け付けております)




発掘の様子などは下記のページで。
http://rekhesh.com/rekhesh.com/Home.html
http://rekhesh.com/rekhesh.com/Photo_Galleries.html


調査隊関係のニュースレター「イスラエル考古学研究会」
http://www.rikkyo.ne.jp/grp/tk/



暫定的な問い合わせ先
5511668@rikkyo.ac.jp
(件名に「レヘシュ発掘」と明記してください)

「教皇フランシスコ」評伝


『教皇フランシスコ キリストとともに燃えて――偉大なる改革者の人と思想』
オースティン・アイヴァリー

教皇フランシスコは歴代教皇と何が違うのか?

世界的ベストセラー評伝、待望の邦訳。

http://www.amazon.co.jp/dp/4750342971?tag=mmiyas-22&camp=243&creative=1615&linkCode=as1&creativeASIN=4750342971&adid=0K5Q8PP5NNVDYKRRDDE1

日本のニュースではこぼれ話程度にしか扱われないローマ教皇がなぜアメリカ大統領選の選挙戦で話題になるのか? なぜドナルド・トランプは彼について何かを言いたくなってしまい、その後、言わない方がいいと判断することになったのか?


読めば、今後、中東の難民問題や貧困の問題、社会格差の問題など、海外ニュースの見方が確実に変わる。日本の国内ニュースへの視点も変わるはず。


やや先行して、写真を多用した本も出ている。同じ値段である(2800円+税)。ページ数は前者が約3倍の629頁。写真をとるか、文章をとるか。


フランシスコ教皇は宗教間の対話を進めようとしていることでも知られている。下の本でのユダヤ教のラビとの対談は非常に面白い。対談そのものは教皇になる以前のもの。


『天と地の上で―教皇とラビの対話』アブラハム・スコルカ、フランシスコ教皇

教皇になる前のインタビューでは、下の本が一番充実している。


教皇フランシスコとの対話』(F.アンブロジェッティ/S.ルビン)

この2書を訳しているのは八重樫克彦・八重樫由貴子。スペイン語圏での生活が長いご夫婦である。


就任後のインタビューでは、これ。早々にどこかが訳すはず。




カトリック信徒の方には下の3冊。


近々邦訳が出るはずの「環境問題に関する回勅 ラウダート・シ」は信徒向けの体裁をとっているが、実際には世界全体に向けたものになっている。邦訳は多分、カトリック中央協議会。いいのが出るといいね。



もう一冊というのであれば、



最初に挙げた新刊はこれらの本をすべて兼ね備えていると言っていい。


ナショナルジオグラフィックのカラー写真の本は除いて。



緊急告知「安全保障関連法案に反対する学者の会」

「学者の会」アピール賛同者の皆様へ緊急のお願い

緊迫した国会情勢のもと、「学生と学者の共同行動」を大成功させましょう。
佐藤学(「安全保障関連法案に反対する学者の会」発起人・事務局代表)


(1)9月6日(日)は午後3時から午後5時半、新宿伊勢丹前の歩行者天国で、「学生と学者の共同街宣行動」を行います。歩行者天国を埋め尽くしましょう。この街宣行動では、学生と学者のスピーチの他、蓮舫民主党代表代行、志位和夫日本共産党委員長吉田忠智社会民主党党首、二見伸明公明党元副委員長が、スピーチを行います。(他の野党は返答まち)
 重要な時期の重要な街宣になるので、ぜひ、ご参加ください。当日のフライヤーを添付します。なお、雨天の場合は、歩行者天国は行われないので、新宿駅東口で街宣行動を行います。

(2)9月11日(金)は学生と学者の共同行動第3弾として、午後7時半から国会前の抗議行動を行います。こちらも、こぞって参加してください。

(3)以下のように各地方でSEALDsの行動が展開されます。地方ごとにSEALDsを支援し共に闘いましょう。


【SEALDs】
9/4(金) 19:30〜21:30 戦争法案に反対する国会前抗議行動
9/6(日) 15:00〜17:30 安全保障関連法案に反対する学者と学生による街宣@新宿
9/10(木) 19:30〜21:30 戦争法案に反対する国会前抗議行動
9/11(金) 19:30〜21:30 戦争法案に反対する国会前抗議行動
9/12(土) S4LON vol.3[この国で生きる―経済 憲法 安保法制―]第1部 15:00〜 第2部 19:00〜
9/14(月)〜9/18(金) 戦争法案強行採決に反対する国会前緊急抗議行動

【TOHOKU】
9/4〜 毎週金曜街宣
9/5(土) SALON(詳細未定)
(9/6(日) 弁護士大集会)
9/10 緊急アピール(詳細未定)

【KANSAI】
9/4 (金) 18:30〜20:00 戦争法案に反対する金曜街宣アピール@大阪梅田ヨドバシカメラ
9/11 (金) 19:30〜21:30 戦争法案に反対する国会前抗議行動
9/13 (日) 16:00〜18:30 戦争法案に反対する関西大行動@大阪 靭公園

【RYUKYU】
9/12(土) 10:00〜12:00 サロンvol.2トポセシア(沖縄県宜野湾市我如古2-12-6)
9/19(土) 「沖縄のことは沖縄で決める緊急アピール」(場所未定)

ペルシャ時代のパレスティナ

パレスティナの多くの遺跡で、ペルシャ時代はどうしてピットばかりの居住であることが多いのか。

この現象は以下のように説明されてきた。

その後のヘレニズム時代、ローマ時代に徹底的に破壊され、もしくは石などの建材を徹底的に利用された。

ペルシャ時代がその遺跡の最後の居住である場合は、自然の侵食によって、痕跡が消された。

しかし、この時代の「貧しさ」は、国の滅亡の後の時代であったというある種の先入観によって作り上げられたという側面もあったようだ。

主要な遺跡での発掘では、立派な建造物も出土する例が増えている。もとより、そうした発掘からの資料がなければ、小規模な遺跡で用いることのできる土器編年を組むのは難しい。

しかしながら、いずれにしても小規模な遺跡では、やはり「ピット」に特徴づけられるという状況に、大きな変化はない。